靖国神社と皇室典範をイデオロギーに捉われずに考えています。
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待望の渡部昇一公式クラブです。書き下ろしのニュースレターやセミナーなど、渡部昇一ファンにはたまらないファンクラブです!
サンケイ新聞が非常に大事なエピソードを伝えているので紹介する。安倍の新ナショナリズムが日中関係を平等互恵へと改築しているのだ。これはお祝いに値する。
安倍が過去の発言を封印し、「安全運転」を始めたと朝日が指摘したのは9月下旬だった。中国がニュー安倍を賞賛するに至って、朝日も追従した。演出の効果は、衆院補選において覿面だった。これは単に二つの選挙区で勝ったということでない。これまで阿部・小沢・胡錦濤の三角関係において、小沢−胡錦濤が最も接近していたが、今や安倍−胡錦濤がとって代わったのだ。民主党は牙をぬかれて、顔色ない。しかし安倍の戦術転換は9月下旬に、本人が渋々受け入れたものだ。彼の腕を捻ったのはブッシュと中川秀直だ。
・・・・中略・・・・
(ご存知ですか皆さん。現在の時点では、中国政府の方が日本政府よりもアメリカ大統領の意志に従順であるという驚くべき事実を。)
就任以来の二週間で安倍政権の基本的な外交スタンスが浮き彫りになってきた。北朝鮮が核実験を断行しても、アメリカの核の傘に全面的に依存する姿勢は変わらないという。とすると安全保障は米におんぶ、となる。これは自民・抵抗勢力と妥協することにならないか。更に、リトルブラザー・ビッグブラザーの関係がつづくとすると、憲法改正の目的は何になるのか。米軍への補助部隊を海外派遣するための改憲なのか。給水のためにイラクに派兵するのが「美しい日本」なのか。
就任してからの安倍晋三を見て、彼の愛国主義に惚れ込んできた若者は幻滅を感じるだろう。安倍は「登録商標」である歴史認識を封印し、靖国参拝は事実上棚上げし、中韓と手を結び、補欠選挙での勝利しか眼中にない。「なーんだ、唯の政治屋じゃないか」という声が聞こえる。しかし勝つことが政治の本質である。私が知っている世界級の大政治家エイブラハム・リンカンの例を検証してみよう。
勝つことが政治の本質。
ただし、目標なしに手段だけを追求すれば・・・
大政治家エイブラハム・リンカンに見る大宰相の資質とは?
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首相に就任した安倍が直面したのは、去年8月に小泉が直面したと全く同じ政局だった。当時は岡田克也が靖国参拝に反対し、水面下で中国政府と共闘していた。安倍が参拝すれば中国が反日デモを仕掛け、07年参院選で小沢の勝利を助ける、というシナリオだ。しかし靖国で「ベタ降り」して、右派が離間するのも怖い。[1] 絶体絶命の安倍を救ったのが北朝鮮の核実験宣言だ。村山宣言を受諾しようが、しまいが、安倍は安倍だ。北朝鮮の挑発に応えて核武装に踏み込むかもしれない、と北京は読んだのだ。
その良し悪しはともかくとして、現状のままで靖国参拝をつづけるのは政治的に無理だ、と私は一年ちかく発信してきた。だが雑誌編集は売文稼業だから、売れるものなら何でもいい。靖国特攻隊を雇った。しかし結局のところ、正しかったのは私だった。
靖国問題というのは、日米問題であり、それを中国が上手に利用している。そして総理就任と同時に、タイムズとポストの論説が、友好的な警告を出した。それを報じることで、アメ通は「ベタ降り」か敗北かの二者択一を暗示していた。
実は安倍氏は、小泉の官房長官になってから極度に慎重になっていた。環境が余りに変わったのだ。長州藩の素封家エリートのボンボンであるのと、総理大臣であるのとでは環境が違う。
政治の判断には年季が要る、とアリストテレスは言う。十代の少年で数学の天才になることは充分あり得る。しかし数学の天才だからといって、首相の仕事を任せることができるだろうか。政治とは正しいよりは勝つことなのだ。
私は安倍の変心にゴーリスト的な決断力を見る。日本人に特有な馬鹿臭いコダワリがない。ドゴール将軍は、アルジェリアの「独立戦争」にフランスが勝てないと知るや、右翼の落下傘部隊将校を切り捨てた。勝てないものは駄目なのだ。
・・・・・・・
政治とは正しいよりは勝つこと
北朝鮮の核実験の影響は?
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Abe’s Concession To China on History Acknowledges Bush’s Helpless Drift
所信表明で、安倍総理は一挙に右派から中道左派に軟化した。総裁選の政権公約で打ち出した「戦後レジーム(体制)からの船出」という言葉を、所信表明演説で封印した。「植民地支配と侵略」を認めた村山談話、従軍慰安婦に関する河野官房長官談話を容認した。朝日は、「首相は新たに背負った政権の重責と、これまで掲げてきた理念のはざまに立っている」と読む。右翼は右翼で、「裏切り」を感じている。単細胞な人間は書かれた文字にこだわり、大きな戦略が見えないのだ。安倍は北朝鮮の核実験とブッシュの弱体化に対処しているのだ。
「信条より無難策・『歴史認識』封印の船出」と9月30日の朝日のみだし。総理の足を引っ張ろうという意図も見えるが、無視できない観察である。これと符合するデータが集まりつつあるからだ。彼は中国・韓国との仲直りに積極的であり、靖国参拝も避ける可能性が多大になってきた。あれほど多数のタカ派で側近を固めたのは、不安 (insecure) だからなのか。それとも政権を一枚岩にして大仕事を押すためか。知りたいものだ。
上記の記事を読んでみよう。
「オクトーバー・サプライズ(十月のびっくり箱)」というのは、アメリカの選挙ではつきものだ。与野党が票稼ぎのびっくり箱を開けて見せる。レーガンはテヘランで人質になっていた米市民を解放する約束を取り付けて、発表した。勿論レーガンが勝って、民主党のカーターが負けた。今週の石油と株の動きは九月のびっくり箱だ。
ブッシュが勝つ可能性が出てきた!?
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