靖国神社と皇室典範をイデオロギーに捉われずに考えています。
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周知のとおり、ブッシュ大統領は四面楚歌で苦戦している。今日の例は、ビーデン上院議員(民主党)による最新のイラク撤退提案であろう。同時に、ブッシュは苦戦すればするほど、小泉の日本が同盟国であることを神に感謝してように見受ける。米紙の論調から証明してみよう。
戦争に関する歴史の判断は、結果で決る。勝った戦争が良い戦争になる。このポイントを哲学者ヘーゲルに言わせると「力は正義なり(Might is right.)」となる。だが、歴史の判断がヘーゲルの原則を踏み外すことは余りない。「勝てば官軍・負ければ賊軍」が世の常だ。だが日本には大きな例外がある。日米戦争は日本が敗北したが、今でも日本人は「だから悪い戦争だった」「避けるべきだった」とは認めない。しかしアメリカ人の前で「良い戦争だが負けた」とは言えない。そこで「後世史家の判断に任せる」という竹下登の処方箋が登場した。
安倍晋三が竹下登の処方箋を再び登用している。[1] 安倍は、「(戦争責任は)歴史家が判断することではないか」というのだ。祖父である岸伸介が「A級戦犯」容疑者だったからであろう。
私も竹下の処方箋が維持されるべきだ考えている。国家の戦争責任といった問題は、如何なる政府であろうとも、それを一方的に決定して、他国に服従することを要求できない。東京裁判がそうしたのは占領下の特殊事情によるものだ。
戦争責任を討論する、最低限の条件は言論と学問の自由であり、これを私は絶対に放棄できない。わが国の文部科学省に対しても放棄できない。ましてや、中国や韓国の政府にも放棄できない。歴史の判断は、事後的に決るものでない。
歴史の判断は「勝てば官軍、負ければ賊軍」というもので、厳正なものだ。日本人の間には、我々が日中戦争で中国に負けたのだという事実を忘れている者がいる。戦争の是非、大義は勝者が決める。これは日米戦争の例外を除いて、そう悪いことではない。
日中戦争での日本の役割は侵略だった。白馬の騎士になりたければ、勝たねばならない。敗戦国が白馬の騎士になろうとするのは馬鹿げている。これは恐らく日本人だけの特殊な傾向でないのか。肝心の戦争に負けたのに、面子にこだわるのだ。
大事なことは、戦争とは石に噛り付いても勝つために戦うものだという点だ。絶対負けてはならない。即ち、勝てる見込みの無い戦争に突っ込んではならないのだ。日米戦争においては、日本には戦争回避の選択はなかったと思う。だが日中の場合には回避できた。石原莞爾の選択があった。盧溝橋での「挑発」などというのはフィクションである。
ともかく中国人には自国の領土で日本と戦う権利がある。日本が中国の領土で八年間も戦って、それでも侵略でないと言い張るには勝たねばならない。それだけだ。
日本人には恐るべき欠陥がある。日本は米中両国と同時に並行して戦った。真珠湾の時点で、日中戦争は完全に膠着した対峙戦争で、勝つ見込みはなかった。だから中国との戦争をアメリカとの戦争にエスカレートしたのである。だが、勝てない戦争を二つ繋いでも、勝てないのである。
戦争は大義のためにやるのでない。戦争とは勝つためにやるのが目的だ。勝つことが大義である。勝てば何とでも正当化できる。日本人は愚直に過ぎる。アメリカ政府は、ドイツが強敵であることを知っていたので、ソ連に全面的に委託して、大規模な介入を避けている。
独ソを咬みあわせて、双方を疲弊させるのが狙いだった。アメリカは専ら日本とイタリアとの戦争を引き受けている。日・伊がドイツより弱いのを計算の上でだ。アメリカの老獪さと日本の愚直さを比較して欲しい。
この次は必ず勝たねばならない。利口になるのだ。
[1] 「靖国重荷・ポスト小泉の安倍氏・参拝明言せず・A級戦犯否定」、朝日、8・16・06.
岸信介は犯罪人でない。「日本において彼らが犯罪人であるかといえば、それはそうではないということなんだろう」。「(戦争責任は)歴史家が判断することではないか」。
靖国参拝に関する小泉総理の理論武装は、一見したところ支離滅裂である。東京裁判とA級犯罪の合法性を認めたり、「特定の人に参拝しない」と放言したり、「心の問題だ」と一蹴したり、全く辻褄があわない。発言がある度に朝日が、片言隻語を顕微鏡で分析して、反論している。そして総理は「総合的に判断します」とうそぶく。でも彼は、裏で高笑いしているのでないだろうか。彼は中韓の反日ヒステリーを操縦して、憲法改正への国内世論を誘導しているというのが真実でないか。
「ヒズボラ(レバノンのシーア派ゲリラ)は今や、第二次大戦における日本軍の描写だけに使われた描写で説明される。『もし君がヒズボラの塹壕から白旗が出るのを待っているとすれば、そんなものは無いと保証できる』、とイスラエル軍陸軍参謀本部のネハシュタン准将は言う。この急転回――イデオロギー的で宗教的な急転回――こそが最近の事態で最も顕著で恐ろしいものである。これで戦いはヨルダン川西岸とかガザのような領土に関するものではなく、イスラエルの生存そのものに関するものとなった。・・・・新しく中東に生れたのは、泣き喚く、かわいい民主主義の赤子でなくて、醜いモンスターだ。彼らが核兵器に手を出すまで待ってみろと言いたい」[1]
政治では「一寸先は闇」といわれる。まさにその通りだ。青息吐息だったブッシュ大統領と共和党は、スコットランドヤードによるテロリスト逮捕の報で蘇生した。テロ問題は民主党に任せるわけにはいかない、というポイントで中間選挙に勝つというのだ。
イラクの内戦が激化していることは、ペンタゴン高官の議会証言で明白となった。
「今退けば、最後の一戦を米本土の近くで戦うことを強いられる」とラムスフェルドは証言した。しかしイラク三派は、既にスン二、シーア、クルドの独立国家を目指して進んでおり、ブッシュ大統領もお手上げの模様だ。イラク内戦激化の背後にも、イランとアーマデニジャッド大統領が糸を引いているのが見える。しかしアメリカには、これ以上の軍事介入を展開するオプションは閉ざされている。丸腰の保安官だ。日本への余波は直ぐやってくるだろう。パックスアメリカナが崩壊すれば、恐ろしいことになる。
二日、米議会の公聴会でラムスフェルド国防長官は、中東全域に広まった戦争を指して言った。「我々はイラクで辛抱するか、早期に退くかだ。退けば、最後の一戦を米本土の近くで戦うことを強いられるだろう。勘違いしないで欲しい。彼らの現在の要求に譲歩しようが、しまいが、彼らは戦いを放棄しないのだ」[1] これがブッシュ政権の本音だ。
朝日は曰く。「自民党総裁選に出馬する谷垣財務相は1日、国会内で記者団の質問に答えて『集団的自衛権(の行使)は認めていく必要がある。憲法改正の手続きをきちっと取って、国民の合意形成をしながら進んでいくのが一番オーソドックスな考え方ではないか』と語った。憲法解釈の変更ではなく、憲法改正によって集団的自衛権の行使を認めるべきだという考えをこれまでになく鮮明にした」。
谷垣は、宮澤喜一の宏池会の流れをくむ政治家であることが大事なポイントである。彼は、どこかの時点で大親分と袂を別ったことになる。これは護憲派と宏池会にとって大きな分水嶺だ。
谷垣財務大臣、改憲支持。宮沢喜一と袂を別った!
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また負けたペンタゴンに走る衝撃 イスラエル軍(IDF)は世界最強の軍隊という神話を維持してきた。イスラエルを抹殺しようと決意したアラブ諸国は、何度も挑戦したが、その度に惨敗してきた。典型的なのが67年の「六日間戦争」で、エジプト、ヨルダン、イラク、シリアなどが46万の陸軍、3000台の戦車、800の軍用機を動員したが、初日に空軍の大半をIDF先制攻撃によって破壊され、後は制空権なしの戦となったが、砂漠だから勝敗は決まっていた。IDFは20機を失っただけだから、真珠湾攻撃みたいなものだ。しかしIDFの神話は通常兵器による戦争だけに限定されたものに過ぎなかった。更に、米軍装備に依存するものだった。
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