片岡鉄哉のアメリカ通信

Vol. XI, No. 121 平成十七年九月二十三日

  • 靖国参拝すれば岡田が勝つ
  • 中国の選挙干渉を封じ込め
  • 小泉「郵政」戦略の真実
  • (「世界日報」より転載)

小泉首相が衆議院の三分の二を席巻する大勝利をおさめた。この選挙の分析では、国内政治を対象とするものしかないのが事実だ。「木を見て森を見ず」なのである。首相の再選に対する最大の脅威は、中国の靖国参拝反対であり、この選挙干渉を封じ込めるために、彼は涙をのんで参拝を中止し、郵政一点張りの争点を辛うじて守ったのだ。その後、民主党が前原誠司を党代表に決めたのも、中国の干渉を招くような岡田克也の危険性を感知したからであったと推察する。

選挙分析の主流となったのは、東大の蒲島教授と朝日の共同研究であろう。教授は「当初、郵政民営化は支配的な争点になり得ないと思っていた。・・・だが、小泉首相は『民営化にイエスかノーか』だけしか話さないことで有権者の関心を高め、・・・『刺客』騒動を通じて、・・・争点化に成功した」。

日本の都市には自民党嫌いの無党派層が多くて、自民の勝ち味は少なかったのだが、「小泉劇場」のおかげで、年金や財政という大問題から衆目を逸らし、勝利を手にしたというのだ。馬鹿な国民が芝居にうつつを抜かした隙につけこんだといわんばかりだが、これは誤解もはなはだしい。


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Vol. XI, No. 120 平成十七年九月二十日

119号は欠番です。


  • 読者からの便り

「今回の『民主党大敗北』の原因は外交政策にあったはずなのに、どこのマスコミも報道しません。先生の情報・分析が頼りです。今後ともご指導下さい」。

X社のY氏とは長いつきあいだ。X社の対米輸出が日米貿易戦争の焦点になったのはクリントン政権の時だった。当時、毎晩のように全米ネットワークに呼ばれて、アメリカ政府を批判したものだ。

PBSという公共テレビのアンカーマン(司会者)に、なぜ私を頻繁に呼ぶのかを聞いたことがある。「我々は日本人の顔が欲しいのだが、日本人でクリントンを真っ向から批判するのは教授だけだ」という答えだった。

「『民主党大敗北』の原因は外交政策にあったはずなのに、どこのマスコミも報道しません」と聞いて驚いた。不肖ながら私は英語で読むものが山ほどあって、日本紙の方は押さえている。だから、この問題を分析したのは「アメ通」だけだったとは初耳だった。


さらに、中国政府が選挙に干渉をしてきたことも報じてきたアメリカ通信。
そんなアメリカ通信、「う〜ん、この続きを読みたい!」という方はこちらから。

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Vol. XI, No. 118 平成十七年九月十九日

  • 北鮮、核放棄に合意 六者協議で
  • 仲介の中国が大勝利
  • カトリナでどん底のブッシュに助け舟

今日の午前中、北京での六者協議において、北朝鮮は「全ての核兵器および核のプログラムを放棄し、可及的に早く核不拡散条約に戻り、査察を受け入れることを約束する」という合意に到達した。[1]

他の五カ国は、引き換えに、援助、外交の正常化、北朝鮮の安全に対する保証を約束した。


[1] Joseph Kahn, “North Korea Says It Will Abandon Nuclear Efforts,” the New York Times, September 19, 2005.


6者協議、ブッシュに借りをつくった中国の勝利!
・・・となると、日米中の三角関係は?日朝の進展は?
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Vol. XI, No. 117 平成十七年九月十八日

  • 「大統領としての私に責任」
  • ハリケン難民百万人の存在気付かず
  • 二千億ドルのばらまき、黒人に厚く

ブッシュは、江戸の仇(イラクの失敗)を長崎でとられたという形だ。八月初旬に始まったテキサス州自宅での反戦デモを、戦争支持のデモで中和したかと思いきや、カトリナに襲われた。避難民は、ルイジアナ、ミシシッピ、アラバマの三州にわたって百万人を超える。被災地はインドネシアの津波と全く同じ状態だ。

ブッシュは被害の超甚大なことを認知するのが遅れたと認めた。・・・・・


アメリカ世論はブッシュをどう見る?
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Vol. XI, No. 116 平成十七年九月十七日

  • 小泉大勝利の余震つづく
  • 北朝鮮、民主党、大勲位の子息

政治の世界では、結論は必ず是か非かの二つに一つだ。ところが、日本は「コンセンサス方式」で、是非をぼかしてきた。小泉がその陋習を破壊したことで、余震が続いている。北朝鮮は拉致の協議に応じた。民主党の党首えらびでは前原誠司が登場した。郵政法案に反対した中曽根弘文が、寝返ったら朝日の総攻撃をうけた。これで上首尾だ。

  • 民主党なしで日本は良くならない

民主党が健全でなければ、政権交代が起きない。政権交代のないことが、自民独裁と腐敗を許したのだ。だから民主党に自浄の能力がないのであれば、外からやる必要がある。・・・・・・


小泉大勝利!経済再建など幾つか問題は残るが、政治改革こそ全てに優先される!
民主党は反米と社会主義を切れるか?
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Vol. XI, No. 115 平成十七年十三日

  • どぶ板民主主義IIの幕開け
  • 新しい日本政治を考える

どぶ板民主主義IIという新時代が開幕した。民主主義過剰の時代だ。利権で動いてきた日本が、シンボルという風で動くことになる。だからブレが大きくなる。二二六事件で軍部を鎮圧した天皇は不在だ。エリート官僚は官邸から外されて無力だ。農村と土建屋に根をおろした利権集団は破壊された。「良識の府」としての参議院は衆議院の奴隷になった。これからは都市に吹く風が主権者になる。うつり気で、低俗で、近視眼で、涙っぽい群衆政治(mass politics)の時代だ。マック憲法の「主権在民」が最 悪の形で具現されたといえる。

戦後政治は三段階に分類できる。(1)吉田とマッカーサーが提携して、天皇陛下と新憲法を守ったことで、官僚国家の時代が生まれた。大日本帝国の官僚は世襲制ではなかったが、本当の意味でエリートだった。国益を優先させたからだ。(2)しかし憲法には「官僚国家」とは書いてない、「主権在民」と書いてある。これをテコにして、田中角栄が佐藤栄作を追放し、どぶ板民主主義Iの時代を築いた。彼は霞ヶ関と土建屋を駆使して、裏日本、農村、庶民に利権をばらまいて、集票組織をつくった。利権の政治は、バラまきが続くかぎり安定する。(3)これを「ぶっ壊した」のが小泉純一郎であり、どぶ板民主主義IIが誕生した。

  • 日本の政治は不安定になる

アメリカと比べてみよう。・・・・・


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Vol. XI, No. 114 平成十七年九月十二日

  • 改憲可能で膨らむ夢と日本の威信
  • 三分の二という地すべり勝利
  • 愚かな選挙介入に失敗した胡錦濤

選挙介入はテロでなくて、胡錦濤だった。投票前の九日から、中国の軍艦が春曉ガス田の周囲を徘徊していたことが、タイムズの報道で判った。[1] 五隻も派遣するのは明らかな反小泉の挑発・介入である。総理官邸は情報管制をしたらしいが、無用だったと思う。

胡錦濤がこれほど愚かだったとすると、靖国介入もやったであろう。総理が8月15日に参拝すると、反日デモを仕掛ける。そこで苦戦している岡田が飛びついて、参拝に反対する。これで争点は「郵政」から「靖国・外交」に一転し、小泉が負けるというシナリオだ。


[1] Norimitsu Onishi and Howard W. French, “Japan’s Rivalry With China Is Stirring a Crowded Sea,” the New York Times, September 12, 2005.


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Vol. XI, No. 113 平成十七年九月九日

  • 水面下で「黒船、鳥羽伏見」もあった
  • 小泉の無血革命の真相を探る
  • 反米憲法のもたらした病気は治るか

9・11選挙の争点は郵政でない。小泉を信任するか否かである。彼の目的はレジーム・チェンジ、憲法改正、日本の独立である。憲法改正に託された目的の一つには反米病の治癒もある。これは大型の無血革命だ。「黒船」も「鳥羽伏見の戦い」も国民の知らないところで既に起きている。この革命の全体像を把握して、小泉に投票してほしい。これが最後のチャンスだ。小泉が失敗すれば次にくるのは暴力革命だろう。1000兆円の財政赤字が爆発するからだ。

  • 体制を守る三つの要件

1990年、バブルの崩壊と冷戦の終焉がいっしょにやってきた。日本が巨大な不良債権を背負い、放置すれば膨れ上がって命取りになることを宮沢喜一は知っていた。日本が地域戦争の脅威に曝されることも米国政府が警告していた。しかし守旧派が時計の針を押し留めたのである。守旧派は現状維持しか出来ないのだった。

だが、どうして旧田中派・保守本流がそれほど無能で不能だったのか。なぜ彼らは自分の墓穴を掘ったのか。この疑問を解明するには、次の疑問に答えるのがいいだろう。もしも、黒船と鳥羽伏見の戦いにおける薩長連合軍の勝利がなかったならば、明治維新が成功しただろうか。いや、幕府は、宮沢喜一のように、問題の先送りで延命を図ったのでないか。

一つの体制(憲法)が維持されるには三つの要件が満たされねばならない。(1)外敵の脅威から国を守る手段を持つこと。幕府をゆさぶったのは黒船であり、清朝はアヘン戦争で致命傷を負った。(2)体制を正当化するイデオロギーが深く国民に浸透していること。(3)体制を守る統治階級に相応の利権が分配されることだ。

「黒船」は未だに来ていないように見える。平和主義も牢固として健在だ。しかし橋本派の利権は80%まで小泉によって「ぶっ壊された」でないか。あれが「鳥羽伏見」なのだ。でも「黒船」はどうなったのか。

  • 反米日本が怖くて占領継続

冷戦の終焉で地域紛争の時代が始まった。湾岸戦争に直面したブッシュ41(41代大統領、父親のブッシュ)は、「新世界秩序」を宣言し、日本とドイツに参戦と自主防衛を要求した。ドイツのコール首相はそれに応じた。

だが竹下登は憲法を盾にとって拒絶し、130億ドルの御用金を払った。 当時、ホワイトハウスは十人ほどの日本研究家をひそかに集めて、日本の平和主義についての分析を聴取している。微妙な問題なので日系市民は排除された。

結論は、平和主義は反米感情の予備軍であり、反米世論は顕在化している。従って、自主防衛を押し付けるのは危険であるというものだった。日本が保護に対して多大の支払いをしている以上、自主防衛は百害あって一利なしというのだ。反米の日本は怖い。護憲の竹下を泳がせておく方が安全だというのだ。

しかし少数派意見があった。それによると、日本は反米護憲に凝り固まって、動きがとれない。これをほぐして、日米友好の利を悟らせるには、一人歩きをさせるしかない。外敵と衝突すれば、日本はアメリカが友人であることを自覚するだろうというのだ。

だが、ブッシュ41はこの意見を却下している。そして彼は自動車セールスマンとして日本を訪問することになる。当時、在野中のリチャード・アーミテージは、学者でないからこの会合に出席していないが、少数派とコンタクトして勉強会を開いたらしい。

  • 反米平和主義は占領の従属関数

戦後の日本は、平和主義の名において反米外交を推進してきた。この外交は朝鮮戦争と共に登場した。講和条約の交渉にきたダレスが、朝鮮と台湾の防衛に日本の貢献を要求した時に、吉田(とマッカーサー)が憲法を盾に拒絶した。

しかし吉田の本音は平和主義でない。彼の本音は「アメリカが日本から奪った領土だから自分で守りなさい」というものであり、その根底には反米感情があった。これを知っている米国は、吉田の平和主義を認知するという形で、占領を継続していく。

吉田茂から宮沢喜一まで、保守本流の擁護した憲法は占領継続と表裏一体であった。アメリカの占領は、ブッシュ41からクリントン政権に引き継がれた。この体制を転覆したのがブッシュ43だった。彼は父親が却下した少数派意見を採択したのだ。

これが集団的自衛権行使を要求する「アーミテージ・リポート」だった。この要求は、普通の日本人には「黒船」の再来とは見えなかった。しかし「米軍再編成」と韓国からの一方的な米軍撤退は明らかに「黒船」であり、有無をいわせぬものだった。あれは「アーミテージ・リポート」の延長に過ぎない。

反米平和主義は憲法で甘やかされた有閑階級のあそびである。[1] 日本人は、自主独立とは平和主義に徹することであり、従って米軍占領を継続することだと思っている。これは倒錯も甚だしい。しかし米国政府は遂に日本の自主防衛を要求したのである。

アメリカ政府は、日本だけに残る第二次大戦の遺物を解体したいのだ。盧武鉉の韓国でさえも日本よりはるかに独立志向だ。「日本人よ、いい加減にしよう」とブッシュはいうのだ。占領が終われば、日本人は現実的になるだろう。

  • 無血革命における「黒船」「鳥羽伏見」

「アメ通」を読まない日本人は、01年のブッシュ就任と共に「黒船」が来たことは知る由もない。また、小泉の靖国参拝の目的は、外務省のODA予算から対中援助を切り捨て、橋本派の利権を奪い、これを「ぶっ壊す」ことだった。これは「鳥羽伏見」と解釈していいだろう。

「黒船」と「鳥羽伏見」は小泉首相が主導したものである。バブル崩壊から15年の停滞、逡巡、優柔不断、弱体化を経て、小泉ニッポンは動き始めたのだ。これで日本の行く手に曙光が見えるようになったのだ。


[1] 平和主義者が小泉をブッシュのポチだ、プードルだと嘲笑する権利はない。彼らこそが米軍の日本占領を長引かせた元凶である。社民党の福島瑞穂がその一人だ。憲法にしがみついて米軍占領を許しながら、独立指向の小泉を批判するとは片腹いたいというものだ。


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Vol. XI, No. 112 平成十七年九月六日

  • 「小泉は来年やめるな」
  • 増税と改革はこれからだ
  • 新しい争点を朝日が提示[1]

朝日の社説が正論をのべている。傾聴に値するものだ。ひょっとすると、これが選挙の新しい争点となるかもしれない。「増税と改革はこれからだ。安倍晋三では少し頼りない。小泉よ、来年やめないで、続投せよ」というのだ。


[1] 「社説・自民優勢・『あと一年』で選ぶのか」、朝日、9・6・05。


橋本派崩壊で“あの”朝日新聞が敗戦時に次ぐ大転換?!
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Vol. XI, No. 111 平成十七年九月五日

  • ブッシュ 0、カトリナ 1
  • 無為無策で失った信任
  • 政治の堤防も決壊
  • 08年選挙、ヒラリーの勝利確定

下記は、タイムズの常連コラムニスト、ブルックスだ。彼はネオコンの敗退と共に更迭されたサファイアの後釜になったばかりだ。これがポイントだ。彼は保守派なのだ。ブルックスの非難は、シーザーを暗殺した親友ブルータスの一刺しと酷似している。


カトリーナクライシスが日本、そして小泉総理に与える影響は?!
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Vol. XI, No. 110 平成十七年九月三日

  • エネルギー被害は史上最大
  • 調査までは数ヶ月
  • パラダイムシフトは独立から多角化へ[1]

「レギュラーの1ガロン$5.87」というと20ガロンの満タンで$117.40。つまり 1万3000円。トヨタのハイブリッドは、注文してから64週間待ち。ニューオルリーンズの黒人市長はヒステリックで、godamn, fuck, frig(自慰行為)などの連発だ。ここでエネルギー被害アセスメントで最も権威のあるものを紹介する。史上最大らしい。


[1] Daniel Yergin, “The Katrina Crisis,” the Wall Street Journal, September 2, 2005.


カトリーナクライシス!!
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Vol. XI, No. 109 平成十七年九月二日

  • 投票直前の日本にテロ攻撃か
  • マドリッド・テロの前例踏襲
  • 「世界日報」から転載

9月11日、投票の直前に、日本に対するテロ攻撃が起きる可能性が急浮上した。8月以降、急速に反戦運動の火がひろまり、ブッシュ大統領の人気が落ちはじめた。彼に最大のダメージを与えるには、「第二のマドリッド」で小泉落選を図るのがアルカイダの狙いであろう。劇的な効果を得るには、9・11投票日の前の7,8,9日あたりが標的になるだろう。


注)マドリッド効果
  2004年3月11日に起こったスペイン同時列車爆破テロ事件で、200人死亡。
  14日投票日の選挙中であったため、アメリカ支持の与党惨敗、野党勝利の 逆転現象がおこった。


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